シフトワイヤー ブレーキワイヤー はんだ付け
プロショップのブログではシフトワイヤー、ブレーキワイヤーに装着するインナーエンドキャップよりもメリットがあるとして割と行われているはんだ付け。 過去に試した事はありましたが、溶かしたはんだが弾かれるために密着せず、何度挑戦しても失敗。 どうやっても上手く行かないので長い事諦めていました
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どうやっても失敗するブレーキワイヤー、シフトワイヤーのはんだ付けに数年ぶりに挑戦しようと思ったのは、ワイズの初売りで激安で購入できたシフター シマノ SL-R780付属のシフトワイヤーの末端が何かで処理されていた事が1つ目の理由
高温で焼き切られているのか? はんだ付けされているのか? シマノ SL-R780付属のシフトワイヤー先端はほつれない処理が施されています(´・ω・`)
(´・ω・)_/ シフトワイヤー、ブレーキワイヤーのはんだ付けに再挑戦しようと思った2つ目の理由は、ほぼレストア、オーバーホールを終えたクロスバイク GIANT ESCAPE RX3のシフトワイヤー(フロントディレイラー側)がインナーエンドキャップをきっちり奥まで装着するには若干長さが足りなくなってしまい、走行中の振動で知らぬ間に紛失する可能性がある事。 SL-R780付属のシフトワイヤーに交換してしまえばインナーエンドキャップを正しく装着できて即問題解決ですが、フロントディレイラーの固定ボルトまでは一応届いているのでそのまま使用したいのも理由(リアディレイラーに使用されていたシフトワイヤーは錆びていたのを交換しているので長さに問題なし)
ブレーキワイヤーもブレーキアウターケーブルに再挿入する際ほつれてしまう状態だったため、クネクネとクセのついた先端を数cmカットして中途半端な長さになっているGIANT ESCAPE RX3。 インナーエンドキャップを装着するための長さは充分に残っていますが、更に短くカットして先端をはんだ付け処理したいところ
普通のやり方ではんだ付けしたのでは、はんだそのものがブレーキワイヤーから弾かれてしまうため、はんだが冷えて固まる直前にブレーキワイヤーの先端を突っ込んで無理やり密着させるので精一杯。 あくまではんだが冷えて収縮するのを利用しているだけなので、スポッと簡単に取れてしまいます。 今回も上手く行かなかったのでブレーキワイヤー、シフトワイヤーのはんだ付けに成功しているブログ等を調べてみると、普通のやり方で成功している人もいれば、ワイヤー表面にフラックスを塗布して酸化被膜を剥がしてからはんだ付けしている人もいる事が判明
フラックスの代用品として錆び取り液でも酸化被膜を剥がす効果がある事は証明できたので、さっそくはんだ付けの練習用ブレーキワイヤー先端を錆び取り液に漬けておきます。 10円玉は一瞬漬けただけですぐに色が変化したので分かりやすかったのですが、ブレーキワイヤーは特に色の変化は無し。 とりあえず錆び取り液に5分ほど漬けておきました
失敗した先程と同じ様にブレーキワイヤーにはんだ付けすると見事に成功。 あまり先端に熱が伝わっていないのか、古いはんだごてを使用しているのも上手く行かなかった原因の1つだったようで、モコモコとボリュームのある状態にはなりましたがヤスリで形を整えて完成
先程と同様に今度は余っているシフトワイヤーの先端にはんだ付けした後可能な限りギリギリまでヤスリで削り、シフトワイヤーとほぼ同じ直径になるまで仕上げてはんだ付けの練習を終えたら、GIANT ESCAPE RX3に仮装着してあるシフトワイヤー2本、ブレーキワイヤー2本を取り外して同様に先端をはんだ付けして作業終了
はんだ付けしたシフトワイヤーをシフターに通したら、シフトレバーでシフトワイヤーを最大までリリースした状態にしてシフトアウターキャップを片側だけ装着した画像の状態でシフトワイヤーをグリスアップ。 あとは普通にアウターケーブルともう片方のアウターキャップを装着
リアディレイラー側も同様に、チェーンステーのアウター受けにアウターキャップだけを通した画像の状態でシフトワイヤーをグリスアップしてからアウターケーブルとアウターキャップを装着。 なぜシフトワイヤーだけアウターキャップを通した画像の状態にしてからグリスアップする必要があるのかと言うと、デフォルトのブレーキアウターキャップとシフトアウターキャップでは内部構造に違いがあるため
(´・ω・)_/ ブレーキアウターキャップにはありませんが、シフトアウターキャップを分解すると内部に黒いゴム製のダストシールが入っており、グリスアップを終えた状態でアウターキャップに通してしまうとシフトワイヤーの直径よりも内径の狭いダストシールが表面のグリスを搾り取ってしまうため。 せっかくグリスアップしてもダストシール部分でグリスが搾り取られてしまってはシフトレバーの引きの軽さが持続せずメンテナンス頻度が上がる等メリットは一切ないので、シフトインナーワイヤーのグリスアップは必ずアウターキャップを1つ通した後に行いましょう。 作業中に撮影し忘れたので、別の黒いアウターキャップを分解して撮影
フロントVブレーキ側のブレーキワイヤー先端。 レストア、オーバーホールで長さが中途半端になっていたので、固定ボルトから10mm程度残して先端をはんだ付け処理
リアVブレーキ側のブレーキワイヤーも同様に末端をはんだ付け処理。 ブレーキワイヤー先端を短くカットした分で2~3gの軽量化にはなっていると思われます(´・ω・`)
フロントディレイラーのはんだ付けしたシフトワイヤー末端
リアディレイラー側のシフトワイヤーは交換しているので長さは十分にあり、ここだけエンドキャップを装着しても良かったのですが、メンテナンス性が向上するのではんだ付けで統一
(´・ω・)_/ ロードバイクに装着しているフロントディレイラー(SRAM FORCE)のシフトワイヤー固定ボルト部分。 1度装着したフロントディレイラーのシフトワイヤーは潰れてほぐれている事が多く、グリスアップ後にインラインフレームの長いアウターケーブル内をほつれさせずに出口まで通過させるのは至難の業。 滑りの良いPTFE、ポリマーコーティングされている高性能なインナーケーブルをほつれさせて再利用出来なくなってしまえばスチール製のシフトワイヤーよりも余計な費用が発生してしまうので、先端をはんだ付けして再利用可能な状態にする事はお財布に優しいと言うメリットがあります
ブレーキワイヤー、シフトワイヤーをはんだ付けするデメリットは、家にはんだ、はんだごてが無い場合は新たに購入する必要がある事。 失敗する場合はワイヤー表面の酸化被膜を剥がすフラックスも必要となるので初期費用がインナーエンドキャップの価格を上回る事でしょうか(´・ω・`)?
仕上げにチェーンステープロテクター(チェーンステーガード)の貼り付け
最後にリアディレイラー周りの撮影と全体の撮影で活躍してくれたL型ディスプレイスタンドからメンテナンススタンドに乗せ換え、ちょちょいとアジャスターボルトを回して変速の調整を行い、ようやく走行可能な状態までGIANT ESCAPE RX3の整備が終了(´・ω・`)
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シマノ シフター SL-R780 付属のシフトワイヤー
どうやっても失敗するブレーキワイヤー、シフトワイヤーのはんだ付けに数年ぶりに挑戦しようと思ったのは、ワイズの初売りで激安で購入できたシフター シマノ SL-R780付属のシフトワイヤーの末端が何かで処理されていた事が1つ目の理由
高温で焼き切られているのか? はんだ付けされているのか? シマノ SL-R780付属のシフトワイヤー先端はほつれない処理が施されています(´・ω・`)
(´・ω・)_/ シフトワイヤー、ブレーキワイヤーのはんだ付けに再挑戦しようと思った2つ目の理由は、ほぼレストア、オーバーホールを終えたクロスバイク GIANT ESCAPE RX3のシフトワイヤー(フロントディレイラー側)がインナーエンドキャップをきっちり奥まで装着するには若干長さが足りなくなってしまい、走行中の振動で知らぬ間に紛失する可能性がある事。 SL-R780付属のシフトワイヤーに交換してしまえばインナーエンドキャップを正しく装着できて即問題解決ですが、フロントディレイラーの固定ボルトまでは一応届いているのでそのまま使用したいのも理由(リアディレイラーに使用されていたシフトワイヤーは錆びていたのを交換しているので長さに問題なし)
ブレーキワイヤーもブレーキアウターケーブルに再挿入する際ほつれてしまう状態だったため、クネクネとクセのついた先端を数cmカットして中途半端な長さになっているGIANT ESCAPE RX3。 インナーエンドキャップを装着するための長さは充分に残っていますが、更に短くカットして先端をはんだ付け処理したいところ
はんだ付けに失敗する原因と成功するはんだ付けの違い
まずはいらなくなったブレーキワイヤーを用意し、表面をパーツクリーナーで脱脂したあと先端をはんだ付け普通のやり方ではんだ付けしたのでは、はんだそのものがブレーキワイヤーから弾かれてしまうため、はんだが冷えて固まる直前にブレーキワイヤーの先端を突っ込んで無理やり密着させるので精一杯。 あくまではんだが冷えて収縮するのを利用しているだけなので、スポッと簡単に取れてしまいます。 今回も上手く行かなかったのでブレーキワイヤー、シフトワイヤーのはんだ付けに成功しているブログ等を調べてみると、普通のやり方で成功している人もいれば、ワイヤー表面にフラックスを塗布して酸化被膜を剥がしてからはんだ付けしている人もいる事が判明
シフトワイヤー ブレーキワイヤーのはんだ付けにはフラックスが必要
普通にはんだ付けしたのでは失敗するので酸化被膜を剥がすためのフラックスを新たに購入しなければならない事が分かり、価格の安いフラックスを探していると、酸化被膜=錆びのはず。 これまで錆びたクロスバイクのレストア、オーバーホールで散々使ってきた錆び取り液も酸化被膜を剥がしている事に違いはないのでフラックスの代用品になるのでは? と思いつき、試しに10円玉の酸化被膜が剥がせるか実験してみると見事に成功。 違いを比較しやすいように左に何もしていない古い10円玉。 右に下半分だけ錆び取り液に漬けた10円玉を並べてます(´・ω・`)フラックスの代用品として錆び取り液でも酸化被膜を剥がす効果がある事は証明できたので、さっそくはんだ付けの練習用ブレーキワイヤー先端を錆び取り液に漬けておきます。 10円玉は一瞬漬けただけですぐに色が変化したので分かりやすかったのですが、ブレーキワイヤーは特に色の変化は無し。 とりあえず錆び取り液に5分ほど漬けておきました
失敗した先程と同じ様にブレーキワイヤーにはんだ付けすると見事に成功。 あまり先端に熱が伝わっていないのか、古いはんだごてを使用しているのも上手く行かなかった原因の1つだったようで、モコモコとボリュームのある状態にはなりましたがヤスリで形を整えて完成
先程と同様に今度は余っているシフトワイヤーの先端にはんだ付けした後可能な限りギリギリまでヤスリで削り、シフトワイヤーとほぼ同じ直径になるまで仕上げてはんだ付けの練習を終えたら、GIANT ESCAPE RX3に仮装着してあるシフトワイヤー2本、ブレーキワイヤー2本を取り外して同様に先端をはんだ付けして作業終了
シフトワイヤーの正しいグリスアップ方法
後はアウターケーブル内とインナーワイヤー表面にケミカル(オイル、グリス等)を塗り、末端をはんだ付け処理したシフトワイヤー、ブレーキワイヤーを通すだけですが、初心者が意外と間違いやすいのがシフトワイヤーをグリスアップする手順。 使用するオイルやグリス等のケミカルは人それぞれですが、自分の場合は最初にアウターキャップを外した状態でアウターケーブル内にシリコンスプレーを一吹きはんだ付けしたシフトワイヤーをシフターに通したら、シフトレバーでシフトワイヤーを最大までリリースした状態にしてシフトアウターキャップを片側だけ装着した画像の状態でシフトワイヤーをグリスアップ。 あとは普通にアウターケーブルともう片方のアウターキャップを装着
リアディレイラー側も同様に、チェーンステーのアウター受けにアウターキャップだけを通した画像の状態でシフトワイヤーをグリスアップしてからアウターケーブルとアウターキャップを装着。 なぜシフトワイヤーだけアウターキャップを通した画像の状態にしてからグリスアップする必要があるのかと言うと、デフォルトのブレーキアウターキャップとシフトアウターキャップでは内部構造に違いがあるため
(´・ω・)_/ ブレーキアウターキャップにはありませんが、シフトアウターキャップを分解すると内部に黒いゴム製のダストシールが入っており、グリスアップを終えた状態でアウターキャップに通してしまうとシフトワイヤーの直径よりも内径の狭いダストシールが表面のグリスを搾り取ってしまうため。 せっかくグリスアップしてもダストシール部分でグリスが搾り取られてしまってはシフトレバーの引きの軽さが持続せずメンテナンス頻度が上がる等メリットは一切ないので、シフトインナーワイヤーのグリスアップは必ずアウターキャップを1つ通した後に行いましょう。 作業中に撮影し忘れたので、別の黒いアウターキャップを分解して撮影
抵抗の少ない粘度の低いグリスがおすすめ
今回使用したグリスは粘度が低く、摩擦係数が低いフッ素配合のミニ四駆用。 ロードバイク、クロスバイクでは定番のデュラグリスでは粘度が高すぎて抵抗となるので、粘度の低い評判の良いグリスがおすすめはんだ付け処理したブレーキワイヤー シフトワイヤーの末端
フロントVブレーキ側のブレーキワイヤー先端。 レストア、オーバーホールで長さが中途半端になっていたので、固定ボルトから10mm程度残して先端をはんだ付け処理
リアVブレーキ側のブレーキワイヤーも同様に末端をはんだ付け処理。 ブレーキワイヤー先端を短くカットした分で2~3gの軽量化にはなっていると思われます(´・ω・`)
フロントディレイラーのはんだ付けしたシフトワイヤー末端
リアディレイラー側のシフトワイヤーは交換しているので長さは十分にあり、ここだけエンドキャップを装着しても良かったのですが、メンテナンス性が向上するのではんだ付けで統一
ブレーキワイヤー シフトワイヤーをはんだ付けするメリット デメリット
オークション(ヤフオク)にて激安で購入できた中古クロスバイク GIANT ESCAPE RX3のレストア、オーバーホールは今回の作業でようやく終了。 インナーエンドキャップを装着すれば済む話なので一見すると無駄とも思えるシフトワイヤー、ブレーキワイヤーのはんだ付け。 はんだ付け最大のメリットは引きが重くなってきたシフトワイヤー、ブレーキワイヤーをグリスアップするためのメンテナンスでクセの付いたワイヤー先端部分を無理やりアウターケーブル内に押し込んでもほつれる心配がなく、寿命による破断まで新たにシフトワイヤー、ブレーキワイヤーを購入する必要がなくなる事(´・ω・)_/ ロードバイクに装着しているフロントディレイラー(SRAM FORCE)のシフトワイヤー固定ボルト部分。 1度装着したフロントディレイラーのシフトワイヤーは潰れてほぐれている事が多く、グリスアップ後にインラインフレームの長いアウターケーブル内をほつれさせずに出口まで通過させるのは至難の業。 滑りの良いPTFE、ポリマーコーティングされている高性能なインナーケーブルをほつれさせて再利用出来なくなってしまえばスチール製のシフトワイヤーよりも余計な費用が発生してしまうので、先端をはんだ付けして再利用可能な状態にする事はお財布に優しいと言うメリットがあります
ブレーキワイヤー、シフトワイヤーをはんだ付けするデメリットは、家にはんだ、はんだごてが無い場合は新たに購入する必要がある事。 失敗する場合はワイヤー表面の酸化被膜を剥がすフラックスも必要となるので初期費用がインナーエンドキャップの価格を上回る事でしょうか(´・ω・`)?
仕上げにチェーンステープロテクター(チェーンステーガード)の貼り付け
最後にリアディレイラー周りの撮影と全体の撮影で活躍してくれたL型ディスプレイスタンドからメンテナンススタンドに乗せ換え、ちょちょいとアジャスターボルトを回して変速の調整を行い、ようやく走行可能な状態までGIANT ESCAPE RX3の整備が終了(´・ω・`)
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コメント
No title
ワイヤー末端のハンダ上げは、十分な脱脂とステンレス用フラックス(重要)と十分な熱量のハンダゴテ(作業場所にもよりますが40~80W)一般電気修理用糸ハンダでできるはずです。
電源確保できなければ、ライターガス式ハンダゴテ使用か、クリームハンダ(一般的な品じゃないです)とライターですね。
アウターだけを切り詰め直すとかチョコチョコ微調整が多い人とか急ぎ修理なのにインナーエンドキャップの在庫を切らした人(意外に値段が高い)、キャップを売ってるような自転車屋なんか近所に無いって人は作業できるようにしてても良いと思います。
2017-08-19 20:14 Y URL
Re: No title
2017-08-19 20:50 FUCHS URL
No title
テフロンコート、ポリマーコートは普通ならコーティングを剥がしての施工になりますね。
ヤスリ、ガストーチ等でコーティングを剥がして、フラックス処理の上ハンダ上げになると思いますがコーティングの強さ 施工状態次第で手間が変わります。
2017-08-22 23:34 I URL
Re: No title
2017-08-23 22:49 FUCHS URL