2023 CROSS BIKE LAB. » フロアポンプ » 🔥 Birzman ZACOO MAHA4 レビュー SNAP-IT 修理 🔥

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クロスバイク用のフロアポンプのパッキンが寿命を迎えて修理するか買い替えるか検討していたところ、ショップのスタッフが使用している等、非常に評判の良いBirzmanのフロアポンプを安い価格で購入出来たので、Birzman ZACOO MAHA 4のレビューと格安な修理方法(Oリングの交換)を紹介



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フロアポンプ クロスバイク用 ロードバイク用

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これまでロードバイクデビューとほぼ同時期に新品で購入したフロアポンプ BB BORO(画像左)を複数台に使いまわしていましたが、中古のクロスバイク GIANT ESCAPE RX3をヤフオク(オークション)で激安で購入した際に前のオーナーが使用していたフロアポンプ GIANT CONTROL TOWER 1(画像右)がセットに含まれており、これまで使用していたフロアポンプは部屋に置いてあるロードバイク用に。 玄関に置いてあるクロスバイクにはこのフロアポンプをクロスバイク用として使い分けていたため、大した距離ではありませんが1つしかなかったフロアポンプをどちらかに持ち運ぶ手間が省けていました。 あくまでメインに出品されていたのはGIANT ESCAPE RX3。 セットに含まれていたフロアポンプはオマケのようなもので、屋内で保管されていたとは思うのですが、エアリリースボタンからは空気漏れが起きていて、分解して修理、調整を試みるも解決できず

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(´・ω・)_/ 修理不可能なため仕方なくエアリリースボタンにボンドを流し込んで完全に隙間を塞ぎ、エアーリリース機能を抹消。 パッキンも寿命に近く、空気を入れるためにバルブに取り付けても微妙にエア漏れする事が多かったため、繊細な取り付けスキルを要求される状態の悪い空気入れでした

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状態が悪いとは言え、全く使えないと言う訳ではなかったので騙し騙し空気を入れていましたが、キックスタンドを取り付けたクロスバイクを玄関に置いていると、ママチャリで済む短い距離でもついつい時短になると乗ってしまう事が多く、それに伴いフロアポンプの使用回数が以前より大幅に増えた事でパッキンが寿命を迎えて御臨終。 GIANT CONTROL TOWER 1のポンプヘッド(口金)はTOPEAKのOEMらしく、画像の黒いパッキンはTOPEAKと同じ形状。 寿命のパッキンだけを交換するのがこのフロアポンプの1番安い修理方法ですが、それではつまらないので残る選択肢は2つ


評判の良いフロアポンプを購入する

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(´・ω・)_/ リーズナブルな価格でお気に入りの中古ショップで購入し、現在は生産終了している携帯ポンプ用延長ホース&ヘッドの名作GRUNGE(グランジ) ツインヘッドポンプアダプター。 店内で見つけた当初、普通のフロアポンプとは違い、バルブに固定するためのレバーがないので使い方が分からずスタッフに聞いてみると、ショップで使用している先端をクルクル回してバルブのネジ溝を利用して固定する似たような仕組みのLEZYNE(ABS2)のフロアポンプで使い方を説明してもらえ、レバーが無いタイプの一部のフロアポンプは素早く取り付け取り外しができて楽である事をこの時に知ったので、新たにフロアポンプを購入するのであれば評判の良いポンプヘッド(口金)部分にレバーの無いLEZYNEのフロアポンプやPanaracer ワンタッチフロアポンプ等、まだまだ種類の少ないレバーの無いフロアポンプや、思い切ってポンピングの必要が無い電動ポンプを購入してみるのも面白いですが、仏式バルブ対応の1番安いフロアポンプと比較すると価格が最低でも2倍以上と高級フロアポンプなのが悩み所

(´・ω・)っ 電動空気入れ 使用動画



サードパーティー製のポンプヘッドに交換して修理

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パッキンを交換するよりも修理費はかかりますが、フロアポンプを買い替えるよりも修理費用が安いのが補修用部品として売られているサードパーティー製のポンプヘッド(口金)に交換する修理方法。 本体側が壊れていないケースでは、評判の良いKUWAHARA HIRAME ポンプアダプターヘッドに交換するのが定番のフロアポンプの修理方法ですが、KUWAHARA HIRAMEはLEZYNEのフロアポンプが買えてしまうレバーがあるタイプの高級ポンプヘッド。 LEZYNE ABS-2もヘッド部分だけ保守パーツとして別売りしていますが、フロアポンプとの価格差がそれほど無いのでお得感は無く、Taggio Pro(Rapido Pro)も高級品。 レバーの無い安いポンプヘッドはPanaracerとair boneの2つが購入候補に残り、KUWAHARA HIRAMEを使用していた人の air bone ZT-A15 クイックポンプヘッドのレビューを見ると、ヒラメより全然使い易い との感想があるのと、価格もヒラメの半額以下とコスパも高いので、air bone ZT-A15 クイックポンプヘッドを取り付けてフロアポンプを再び使えるようにするのがこの段階での最有力修理方法でした

(´・ω・)っ KUWAHARA HIRAME 装着 動画

(´・ω・)っ LEZYNE ABS-2 装着 動画

(´・ω・)っ air bone ZT-A15 クイックポンプヘッド 装着 動画



Birzman フロアポンプ 評判 評価

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購入に踏み切る前にair bone ZT-A15 クイックポンプヘッドの価格を基準予算にいろいろなサイトでレバーが無い中古のフロアポンプを探してみたところ、ポンプヘッド(口金)部分が一般的なL字型やT字型ではない謎の中古フロアポンプを発見したので画像解析してみた結果、台湾のBirzmanが製造しているフロアポンプで、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳとグレードがある中で1番下のBirzman ZACOO MAHA Ⅳと判明。 もしかすると有名メーカーなのかもしれませんが、聞いた事の無いメーカーだったのでこのフロアポンプについて調べてみると、日本のグッドデザイン賞に相当しそうな iF design awardを受賞していたり、ショップスタッフが自宅で使用している等かなり高い評価

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評判の良いフロアポンプで引き取りに行けば500円引きと最安値のフロアポンプと同等の安い価格は魅力ですが、心配なのは既に2度人手に渡っているので危険な香りがするのか? 誰1人として出品者とやりとりしている気配がなかった事。 出品者に状態を確認すると問題ないとの事だったので連絡をして引き取りに行き、待ち合わせ場所に現れたのは意外な事にロードバイクやクロスバイクに乗っている様には全く見えない50~60歳台くらいのオバチャンでした

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掲載画像にも写っていたタグ(値札)部分。 行きつけの中古ショップで使用している値札に酷似していたので、出品者のオバチャンにその場で購入した店を聞いてみると予想通りで、同じ中古ショップに出入りしていた事が分かり意気投合

あの店安いですよね(´・ω・)っT (・ω・`)ね~

フロアポンプは長さがあるため発送すれば140サイズ程度と意外と送料が高く、手渡しなのは助かるのですが、持ち帰るためのリュックサックに入り切るはずもなく、半分飛び出した状態で走っていたため、周囲の視線を集めて恥ずかしかったのはナイショ(´・ω・`)


Birzman ZACOO MAHA Ⅳ 外観比較レビュー

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通算3台目のフロアポンプが仲間入りし、左からワイズロードで購入したフロアポンプ BB BORO(型番不明)。 GIANT CONTROL TOWER 1。 Birzman ZACOO MAHA Ⅳと、ショップならともかく3台もフロアポンプがあるのはなかなか珍しい光景。 以下、左上にBB BORO。 右上にGIANT CONTROL TOWER 1。 下にBirzman ZACOO MAHA Ⅳの画像レイアウトで、フロアポンプ Birzman ZACOO MAHA Ⅳの外観比較レビュー。 一部そうではないレイアウトもあります

ハンドル
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Birzman ZACOO MAHA Ⅲ、Ⅳは、オシャレな部屋に置いておけばインテリアになりそうな高級フロアポンプに採用されている事が多い木製のハンドルを採用。 最上位モデルのBirzman ZACOO MAHA Ⅱのみアルミハンドル

ポンプヘッド(口金) SNAP-IT
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Birzman ZACOO MAHA Ⅳのポンプヘッド(口金)はバルブに固定するためのレバーを必要としない仏式、米式、英式(付属の英式対応アダプターを装着)の全てのバルブに対応するSNAP-ITと呼ばれる初期型(第1世代)のポンプヘッドを搭載。 BB BOROは仏式、米式、英式に対応。 GIANT CONTROL TOWER 1は仏式、英式(付属のアダプターを装着)に対応

ホース固定部分
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Birzman ZACOO MAHA 4のホースを固定する部分はシンプルなU字型。 ホース末端よりも若干下の位置に固定して、ホースのテンションをかけておかないと簡単に外れてしまいますが、他の2台のフロアポンプと比較して全体的に薄く出来ているので、フロアポンプの軽さに貢献

エアゲージ(空気圧メーター)
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エアゲージ(空気圧メーター)の表記はBirzmanのイメージカラーであるグリーンが基調で、11BAR、160PSIまで目盛りがあります。 メーターの目盛りで特徴的なのは、40~60PSIと100~120PSIの2ヵ所にグリーンの太いラインが引いてある事。 推測ですが、40~60PSIはママチャリの推奨空気圧。 100~120PSIはロードバイク、クロスバイクの推奨空気圧を意味しているのかもしれません。 GIANT CONTROL TOWER 1のみ14BAR、200PSIまでメーターの目盛りがあり、必ずしも最大空気圧とは限りませんが、より高圧まで空気を充填可能なフロアポンプの性能と言う意味ではGIANT CONTROL TOWER 1がこの3種類のフロアポンプの中では最も高性能(´・ω・`)?

ベース
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Birzman ZACOO MAHA Ⅳは価格を抑えた1番下のグレードのため、レジンブラベース(プラスチック)を採用。 使用期間は分かりませんが、既に2オーナーが使用していた事を考えればベースの耐久性は問題無し。 上位モデルのBirzman ZACOO MAHA Ⅱ、Ⅲはアルミベースを採用

ベース裏側
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Birzman ZACOO MAHA Ⅳのベース裏側は先端の3ヵ所に滑り止めの小さなラバーを配置し、フローリング等室内での使用を想定した造り。 BB BOROはベース裏側全てが着脱可能なラバーで覆われており、対照的に地面と接する部分に一切ラバーがないのはGIANT CONTROL TOWER 1

Birzman ZACOO MAHA Ⅳ 付属品

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中古で最初から付属品が一切無かったため、手持ちの空気入れ関連の部品を取り付けてイメージ撮影。 本来ならママチャリ用の空気入れとしても使えるようにできる英式対応アダプター、ボール用のニードル(空気針)、浮き輪アダプター(ブラック) が付属します

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BB BOROにはもともと付属品が存在しませんが、GIANT CONTROL TOWER 1には付属品があり、ハンドル端のキャップ部分を引っ張り出すと中にニードル(空気針)と浮き輪アダプター(ブラック) が収納されている付属品を紛失する心配の無いフロアポンプ

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キャップと付属品を取り付ける部分にはネジ切りが施されているので、ポンピング中や持ち運び中にニードル(空気針)、浮き輪アダプターが中で外れる心配がありません。 ホース部分にはチェーンで繋がった英式バルブエクステンション(トンボ口)が付属


SNAP-IT 修理 Oリング 交換

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さっそく動作チェックをしてみると、SNAP-ITの使い方が悪いのか? 空気が入る事は入りますが、少しづつエア漏れしていて、購入前に出品者に確認を取った 「 動作確認したところ問題ありませんでした 」 の回答とは状態が異なる不具合が発生しているBirzman ZACOO MAHA 4。 使い方の問題なのか? 故障しているのか? を判断するため、SNAP-ITを分解して空気が漏れる原因を調べます

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まずはポンプヘッド(口金)先端を指で回し、SNAP-ITと呼ばれるパーツを取り外します

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空気が漏れる原因とみられるSNAP-IT内部を調べるため、先端中央の六角穴を6mmの六角レンチで回して金属パーツを取り外します

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フタの役目をしている金属パーツを外して内部を確認すると、本来入っているはずのOリング(パッキン)を紛失しているか? 故意に取り外されている? 事が判明すると同時に、空気が漏れる原因はOリング(パッキン)が入っていなかった事によるものと特定

(´・ω・)っ SNAP-IT 分解 Oリング 交換 動画

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念のために手放す理由を受け渡しの際に聞いており、別居していた旦那が帰ってきたのでフロアポンプが2つも必要なくなったとは言っていたのですが、実際には寿命を迎えたOリングを交換するために部品取りをした後のBirzman ZACOO MAHA 4を掴まされた可能性があり、出品者のクソババァと揉めた挙句、最終的には音信不通に。 いずれにせよ、レバーの無いフロアポンプは中古でもここまで安い値段で購入する事は難しいので、存在しなかったOリングを入手して修理する事に(´・ω・`)

SNAP-IT Oリング 互換品 代替品

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Birzman製品のブログ記事があるワイズロードでなら補修用リペアパーツであるSNAP-ITのOリング(パッキン)を取り寄せてもらえるであろうと足を運んでみたのですが、スタッフに聞いてみると現在はBirzmanの取り扱いを終了してしまい取り寄せる事ができないと告げられ、このブログ記事を書いている時点でBirzmanとの取り引きがあるのはサイクルベースあさひと教えてもらえましたが、サイクルベースあさひはワイズロードと違ってネット注文、店頭受け取りのどちらでも送料を取られ、Oリングの価格がいくらくらいなのかも分かららず、Oリング1つを取り寄せてもらうだけではボッタクリ価格になるのが目に見えているので、ホームセンターでSNAP-ITのOリング(パッキン)として互換性のありそうな代替品を近いサイズで探して見つけたのが100円前後で販売されていた外径8.6mm、内径4.8mm、線径1..9mmの水道用補修Oリング

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Birzman ZACOO MAHA 4に使われているSNAP-IT本来のOリングのサイズは先程の動画(0:09~)で確認できる、外径9.5mm、内径5.5mm、線径2..0mmが正規品の仕様ですが、海外製品故なのか? 特殊サイズなのか? 日本のホームセンターで売られているOリングに同じ規格の製品は存在せず、普通は 「 大は小を兼ねる 」 ですが、密閉性が重要なOリング、パッキンは 「 小が大を兼ねる 」 逆の業界のため、同じサイズが無い場合は内径が1サイズ小さいOリング(パッキン)を使用する必要があります

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(´・ω・)_/ Birzman ZACOO MAHA 4純正のOリングであればフレンチバルブの直径およそ5.7mmのバルブステム(下の太いネジ切り部分)に内径5.5mmのOリングが外周部の圧力によってフィットする事になるのですが、内径が純正のOリングよりも0.7mm狭いこの代替品のOリングの場合は、バルブステムのネジ切り部分の終わり辺り(バルブキャップ用のネジ切り下にあるくびれ部分)に下方向の力でOリングがフィットする事になります

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最初からOリングが入っていなかったSNAP-ITの中に、代替品として使用できるであろう内径4.8mmのOリングを入れたら、空気漏れを修理できたか確認するために動作チェック。 リア側は空気が漏れる事無く何の問題もなくなりましたが、フロント側はOリングの入っていなかった最初の状態と比較して空気が漏れるスピードが超スローペースにまで改善したものの、Oリング装着後も依然として空気が抜けてしまいます。 前と後ろでチューブのメーカーが違うのでバルブ先端の形状にも製造誤差程度の若干の違いがある? 関係から前後で違う結果になったと考えられるため、空気漏れを直すべく更にSNAP-ITを分解して修理を試みます

SNAP-IT 分解 つる巻きバネ 取り外し

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基本的にパーツに刻まれたネジ部分で繋がっているだけなので、SNAP-ITの分解に必要な工具は六角レンチ(6mm、3mm)、ペンチまたはプライヤーの3点のみ。 部品点数は多くなく、割と簡単な構造をしています

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(´・ω・)_/ 空気漏れを防ぐため、SNAP-IT装着時にバルブ先端を押し込んで逆止弁を開放するつる巻きバネを取り外し、バルブの逆止弁を常時解放している仕様からハンドルを押し込んでフロアポンプ内の空気圧がチューブ内よりも高圧な状態の時にだけ逆止弁が開くように仕様変更(画像はSNAP-ITを半分組み上げた状態にチューブバルブを差し込んで金色のバルブコア軸が見えている状態)。 本来の使い方ではない仕様になるため、弊害としてハンドルを押し込む動作中にしか圧力メーターが正しく読み取れなくなります。 つる巻きバネを取り外した状態で動作テストをすると、空気の漏れていたフロント側もリア側同様に空気漏れは収まり、若干の仕様変更にはなりましたがめでたく修理完了となりました。 実際に試していないので何とも言えませんが、もしかすると今回使用した内径4.8mmのOリングよりも0.3mm狭い内径4.5mmのOリングや、CO2インフレーター用のOリングの方が互換性が高いかもしれません


SNAP-IT 使い方 使用方法

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SNAP-ITの使い方は非常に簡単で、仏式バルブへの取り付けはバルブ先端に差し込み、青いスリーブを2.5mmほど下にスライドさせたら上から見て時計方向(バルブのネジ溝と同じ方向)に軽く捻るだけで装着完了(画像はスリーブをスライドさせる前のロックされていない状態)。 純正の状態は分かりませんが、非純正のOリングに交換したため、差し込み時の抵抗はほとんど無し

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(´・ω・)_/ こちらはスリーブを下にスライドさせ、軽く捻ってチューブバルブと固定した空気を入れられる状態のSNAP-IT。 スリーブ部分は1~3回捻れば十分で、SNAP-IT内部のOリングとチューブバルブが密着して密閉状態になります。 取り外しの手順は更に簡単で、スリーブを上にスライドさせる事でロックが解除されると同時に、逆止弁が閉じてチューブに入りきらなかったフロアポンプホース内の低圧の空気が引き抜き動作をアシストして気持ちよく取り外せます。 レバーがないポンプヘッドのメリットは、慣れれば1秒かからないものすごい速さで着脱できる優れた仕組みを持っている事だけではなく、取り付け、取り外し、どちらの動作も片手だけで済むため、右手で上部のシルバー部分。 左手で青いスリーブ部分を摘まんでスライドさせれば、バルブ根元のロックリングを調整する必要が無く、バルブの根元を傷める心配が無い事。 スリーブ部分をスライドさせる持ち方は真上に引き抜きやすく、レバーを動かす動作やポンプヘッドを引き抜く動作でうっかり斜め方向の力が働いてチューブを傷めてしまうリスクから解放されるのがレバーのあるポンプヘッドとの大きな違いで、通勤通学で急いでいる朝にこそ最も真価を発揮します

(´・ω・)っ SNAP-IT 装着 動画

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米式バルブに取り付ける場合はSNAP-IT先端を取り外し、内側に彫られた米式バルブ用のネジ溝を利用して装着。 素早い着脱が可能な先端部分は仏式バルブ専用のため、米式バルブへの取り付け取り外しは何回転か回す必要があります。 普通のフロアポンプはパッキンの圧力で米式バルブに装着する構造になっていますが、米式バルブ用のネジ溝が彫られていれば米式バルブのチューブに空気を入れられるのはもちろんの事。 パッキンで装着するタイプのフロアポンプと比較してより高い圧力をかけてもそう簡単には抜けないのと、各種米式バルブ対応のアダプターを強固に装着する事が可能

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(´・ω・)_/ 代表的な米式アダプターは、airbone スーパーミニポンプ等に付属する仏式バルブを米式バルブに変換する真鍮製の仏式バルブアダプター

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各種アダプター(アタッチメント)を装着したSNAP-IT

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Birzman純正のOリングをワイズロードで入手できないと分かった当初、修理する事を諦め、仏式バルブアダプターを取り付けたLEZYNE ABS1 PROに相当する仕様で空気を入れる使い方でも良いかな? と少し考えてしまったのはナイショ(´・ω・`)

(´・ω・)っ LEZYNE ABS1 PRO 装着 動画



SNAP-IT 分解 構造 仕組み

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(´・ω・)_/ 素早い着脱を可能にしているSNAP-ITの仕組みがどうなっているのかを解説するため、分解したSNAP-ITの構成パーツをチューブバルブに装着した際の近い位置関係に配置したのがこちら(代替品のOリングはチューブバルブに通してあります)

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SNAP-ITの素早い取り付け、取り外し動作を可能にしている最も重要な構成パーツは、バルブキャップを装着するネジ溝横に位置する5mm程度の爪の役割を果たす2つのパーツ。 バルブを掴む面には仏式バルブ用のネジ溝が彫られ、中には極小サイズのバネが半分露出した状態で組み込まれています

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分かりやすくするために必要以上に外側に飛び出させていますが、この2つの爪がSNAP-IT先端の黒いパーツのサイドに収まり、青色のスリーブを下にスライドさせる事で内側に押し込まれてチューブバルブをガッチリ掴み、逆にスライドさせる事でバネによって外側に戻る動きをし、素早い着脱を可能にしています

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(´・ω・)_/ その動きを可能にしているスリーブの内側は、1mm程度の厚みの違いによる段差(階段状ではなく斜め)があり、この内部形状と厚みの違いによってスリーブを下にスライドさせると厚い部分で爪を内側に押し出し、戻すと解放する仕組み。 レバーを利用してパッキンの圧力だけで固定する普通のフロアポンプとは違い、ネジ部分を回してロックする構造になっているため、メーカーの担当者曰く、300PSIまでかけた高圧でも抜けない強力な固定力は魅力ですが、基本的なパーツや構造はLEZYNE ABS2とあまり違いがないので、どちらがOEMでどっちが本家なのかは謎

(´・ω・)っ LEZYNE ABS2 分解 ブログ



フロアポンプ Birzman ZACOO MAHA 4 レビュー

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Birzman ZACOO MAHA 4は地面からハンドル上部までの高さが実測で約640mm。 両サイドのフロアポンプと比較してハンドルの最低位置(高さ)が50~60mm低く、レディースモデルとして販売されている小柄な女性用のピンクのフロアポンプであれば全高565mmとさすがにそこまで低くはありませんが、フロアポンプの中では比較的低い仕様なので、ハンドル位置が低い方が体重を乗せやすい女子にもおすすめのフロアポンプ

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真横から撮影した3台のフロアポンプを比較。 両サイドに並べた普通のフロアポンプは地面に対してシリンダー(本体)の角度が90°ですが、シリンダー部分を体側に5°傾けた85°になっているのがBirzman ZACOO MAHAシリーズ本体側の売りであり最大の特徴。 感覚ではハンドルに対して真上から体重をかけてポンピングしていると思っていましたが、よくよく考えてみると実際の体重はある程度足側に残っており、上半身は体重をかけようと若干前方に倒れ込む動作をしているので、それに合わせてシリンダー(本体)を5°傾けた方が効率的にポンピング出来る模様。 それと、いくつか見かけた 「 ポンピングそのものの抵抗が少ない 」 等と書かれたブログのレビュー。 実際に中を確認した訳ではありませんが、他のメーカー同様にシリンダー内部の表面をトゥルットゥルになるまで研磨して摩擦抵抗を極限まで減らしていると考えられるため、これまでよりあきらかにポンピングの抵抗が少なく楽で、男性はもちろん体重の軽い非力な女性におすすめのフロアポンプと言えます

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高級感のある丸形ウッドハンドルは直径30mmで太すぎず細すぎず。 通勤通学でこまめに入れる方や、1~2週間に1度ロードバイクに乗る普通の使い方であればポンピング回数そのものが少ないので丸形ハンドルでも全く問題にはなりませんが、タイヤ交換、チューブ交換をして完全にゼロの状態から空気を入れる場合は、ハンドル上部をフラットに近い形状にして掌(手のひら)に局所的に体重がかからないように平らな面を広くしている普通のフロアポンプに対し、丸形ハンドルは体重を掌の狭い範囲で局所的に近い受け止め方をしてしまうため、ポンピング回数の多さから自らの体重によって掌が痛くなります。 掌が痛くならないコツは、体重をかける際にハンドル全体をしっかり強めに握る事で軽減可能。 個人差はあると思いますが、憧れの丸形ウッドハンドルにも意外な欠点がありました(あくまで丸形ハンドルによる欠点であり、素材によるものではありません)

SNAP-ITの取り付け位置(空気の入れ方)

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一般的なL字型やT型のポンプヘッドとは違い、Birzman ZACOO MAHA 4のSNAP-ITはポンプヘッド部分の形状が棒型(インライン)。  装着するために毎回バルブの位置をホイールの下まで回す必要は無く、どの位置であってもバルブに優しく取り付けられるのが利点。 1番おすすめの取り付け位置は真上で、画像ではぶら下がっているように見えてしまいますが、実際にはホースが地面に接している部分で軽量なSNAP-ITとホースの重さを支え、ホースの中央は曲がらないようにホイールのハブ部分に立て掛けているため、この位置にセットして空気を入れるのがバルブにほぼ負荷がかからない優しい位置で、取り付け位置が高いので腰痛持ちの方には楽かもしれません

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続いてバルブが真横に位置する場合。 SNAP-ITが軽量に出来ているとは言え、そのまま取り付けてしまうと垂れ下がってバルブの根元に亀裂を発生させる傷みの原因となる根元部分への累積負荷がかかります。 この場合はホイールのハブ軸部分にホースを乗せる事で負荷を最小限に抑えられますが、一手間増えるため使い勝手が若干悪くなります

最後は真下で取り付けて空気を入れるパターン。 普通のフロアポンプはバルブの根元部分へのダメージが最も少なくなる真下にセットしてポンプヘッドを取り付けるのが一般的ですが、Birzman ZACOO MAHA 4のSNAP-ITはL字型やT字型のポンプヘッドとは違い、差込口とホースの関係が90°に曲がっていないストレートなポンプヘッド。 普通に取り付けるとホースが上向きにアーチを描く分だけ余計にホースの重さがバルブにかかるため、ほぼ無負荷で取り付けるには少し工夫が必要

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(´・ω・)_/ 画像左はシリンダー上部とホースをヘアゴムで巻いた状態。 画像右はホースの固定パーツにホースをセットし、養生テープを貼っただけの状態

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アイデア次第でいくらでも方法はあると思いますが、これでホースが上からぶら下がった状態になるので、あとはSNAP-ITとバルブ先端の高さを合わせる事でほぼ無負荷状態で装着できるバルブに優しい取り付け方法

Birzman ZACOO MAHA 4 重さ 重量

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Birzman ZACOO MAHA 4
実測重量:951g

大半のフロアポンプのシリンダー(バレル)が重いスチール製であるのに対し、最低グレードのBirzman ZACOO MAHA 4含め、高級フロアポンプに使われているシリンダーの大半は軽量なアルミ製。 スチール製のフロアポンプと比較して重さが600~700g程度軽い1kg以下のフロアポンプは持ち運びの軽さが魅力。 別々の場所で使用するために1台しかないフロアポンプを持ち運ぶ必要がある住宅事情や、重い物を運びたくない女性におすすめしたいフロアポンプ。 これまで使用しているフロアポンプの重さを気にした事等ありませんでしたが、ブログ画像を撮影するために3台を何度も持ち運んでアルミ製フロアポンプの軽さを体が覚えてしまった現在は、重いスチール製のフロアポンプにはもう戻れそうにありません(´・ω・`)


安いフロアポンプと高級フロアポンプの違い

基本的に高級フロアポンプと安いフロアポンプの価格差は仕様(スペック)を見ただけでは納得しにくいもので、レビューしたBirzman ZACOO MAHA 4の特徴を比較用にリストアップしてみると、

  • SNAP-ITにより片手で素早い着脱が可能
  • 斜めに引き抜いてチューブを傷めるリスクが低い
  • ポンピングの抵抗が少ない
  • 5°の傾きで体重をかけやすい
  • 高級感のある木製ハンドル
  • 重量1kg以下で持ち運びが楽
  • ハンドル位置が50~60mm低い

と、安いフロアポンプには見られない高級感と機能性が付加価値を生み出し、価格に反映されている模様。 これらの特徴からBirzman ZACOO MAHA 4の最適な用途を絞り込むと、メーカーではレディースモデルのフロアポンプとは一切書かれていませんが、女性用や使用頻度の高い通勤通学用が最も性能を発揮するフロアポンプで、玄関に置いているためママチャリ代わりについつい乗ってしまう使用頻度の高いクロスバイク用のフロアポンプとしても適しているように思えます

Birzman MAHA APOGEE

第1世代のBirzman ZACOO MAHAシリーズは現在生産を終了しており、現行モデルは第2世代のBirzman MAHA APOGEEシリーズ。 ZACOO MAHAシリーズは先端のSNAP-IT部分を取り外して米式用の各種アダプターを取り付けていましたが、 MAHA Apogeeシリーズは分割しない一体型へと進化し、先端を取り外さなくてもアダプターを取り付けらるようになったのと、ポンプヘッドの形状を棒型(インライン)とL字型の2種類から選べるのがZACOO MAHAシリーズとの違い

(´・ω・)っ Birzman MAHA APOGEE 装着 動画

Birzman MAHA PUSH & TWIST

次期モデルは第3世代となるBirzman MAHA PUSH & TWISTシリーズ。 これまで米式バルブへの取り付け取り外しは何度も回す必要があり、SNAP-ITの長所である素早い着脱は仏式バルブでしか出来ませんでしたが、第3世代のMAHA PUSH & TWISTシリーズからSNAP-ITが仏式バルブ、米式バルブの両方に対応し、何度も回す必要が無くなった最新モデル

(´・ω・)っ Birzman MAHA PUSH & TWIST 装着 動画

今回GIANT CONTROL TOWER 1の寿命を迎えたパッキンを交換するポンプヘッドの修理だけで済む話でしたが、最終的にBirzman ZACOO MAHA 4を購入。 ポンプヘッドヘッドのパッキン(Oリング)が寿命を迎えると、多くの人が修理用パーツの入手性の悪さやシリンダー(バレル)側が壊れていない事から、これまで使っていたポンプヘッドよりも性能が良いものを使いたい心理に陥り、ポンプヘッドの交換修理では有名なクワハラ ヒラメ ポンプアダプターヘッドに交換してしまいがち。 仮に今回ポンプヘッドの交換修理で対応していた場合、シリンダー側は耐久性が高くそうそう壊れるものではないので、安いフロアポンプと高級フロアポンプの性能の違いを知る機会は何年も先になったかもしれません

一概にどの選択が正解とは言えませんが、クロスバイクからロードバイクへ買い替えるのと同じように、最初に購入した安いフロアポンプのパッキン(Oリング)が交換時期を迎えたら軽量なアルミ製でポンピングの軽いフロアポンプに買い替えてフロアポンプそのものをスペックアップ。 何年後かにパッキンの交換時期を迎えるかポンプヘッドの交換をしなければならない事態になってから王道のクワハラ ヒラメ ポンプアダプターヘッドや、コスパが高いair bone ZT-A15 クイックポンプヘッドに交換するのが、フロアポンプのステップアップルートとして正解かもしれません

高級フロアポンプの中で圧倒的に人気のあるLEZYNEに漠然とした憧れはありましたが、マイナーメーカー? のBirzmanのフロアポンプを使用して機能的にLEZYNE ABS-2と何ら変わりない事が分かったので、フロアポンプを買い替える決断をした場合にはLEZYNEよりもコスパが高い現行モデルのBirzman MAHA APOGEEがおすすめのフロアポンプになると思います(´・ω・`)

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