2024 CROSS BIKE LAB. » Bianchi camaleonte » 🔥 固着して外れないスクエアテーパーBB 右ワン 左ワンの取り外し方 🔥

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エントリーグレードのロードバイク、クロスバイクに採用されているスクエアテーパーBB。 固着して外れない事の多いBB右ワンを破壊しない取り外し方を紹介



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BB 外れない クロスバイク
このブログを書いている時点では12年ほど前の中古クロスバイク Bianchi camaleonte 3は中古を通り越してオーバーホール必須の走れるジャンク車

BB 回らない 錆び
初心者が中古のロードバイク、クロスバイクを購入してはいけない理由の1つでもある遠目から撮影した場合と近くでは状態にかなりの違いが発生する画像マジックは健在で、見ての通りドアップにするとほとんどのパーツが錆び錆び。 チェーンリング、クランクを固定しているボルトの赤錆びが特に酷く、分解では最難関のBB(ボトムブラケット)取り外し作業は「締め付けトルク×グリス残量×年式×錆び≠固着」の方程式に当てはめると、固着して回らない可能性が非常に高めと推測できます

ボトムブラケット 洗浄
BB以外のパーツを取り外したら作業中に手や工具が汚れて作業効率が落ちるのを防ぐため、ピカピカに拭いておきます


BB 左ワン 取り外し方 回す方向

スクエアBB 左ワン
クランクシャフトが四角いスクエアテーパーBBの左ワンはシャフト、ベアリングとは独立した内側が空っぽの構造のため、固着して外れない確率は低め。 固着して回らない可能性の高いBB右ワンの自由度をわずかでも上げるため、左ワンから先に外しておきます

スクエアBB 左ワン 方向
左ペダル側のBB左ワンの外し方は普通のネジと同じ正ネジで、走行中のクランクと同じ反時計回りの方向にBBツールを当てて回すだけ。 作業の注意点はBBツールとBBのかかりが非常に浅いため、舐めないように気を付ける事くらい。 古い年式と若干の錆びでかなり固い状態でしたがBB左ワンは固着しておらず、無事取り外し完了


BB 右ワン 取り外し方 回す方向

BB 外れない BSA
クランクシャフト、ベアリング、右ワンがカートリッジタイプ(一体型)の固着して外れない確率が高いスクエアBB右ワンは、基本的には左ワンとは回す方向が逆の時計回りで緩むBSA(JIS)規格の逆ネジ

  • BSA(JIS) → 時計回りで緩む
  • ITA → 反時計回りで緩む

BB 外れない ITA
右ペダル側のBB右ワンにBBツールを当てて時計方向に回してみますが、固着しているのか? 古いビアンキはITA(イタリアン)規格のフレームで回す方向が逆なのか? ビクともしない程固いので、BBツール単体ではとても回らないお手上げ状態(´・ω・`)

556を吹いて回らないBB右ワンの固着を解消する

BB 外れない 556
10年以上1度もBBを取り外してメンテナンスされていないであろうBianchiのクロスバイクなので、次にとる方法は取り外した左ワン側から右ワン内側に556などの潤滑剤を流し込み、スクエアテーパーBB右ワンのネジ部分の固着を改善する事

BB 回らない 556
スクエアBBのベアリングにはゴミや砂などの侵入を防ぐ赤いシールがあるとは言え、できれば研磨剤入りの潤滑剤は使わない方が賢明。 556がベアリング内部に極力入らないよう隙間から大量にスプレーしてから15分ほど放置し、再トライしてみましたがBB右ワンが外れない状態は変わらず、より浸透させるために24時間以上放置しても結果は同じでした

BBツール固定用ボルト

BB 右ワン 外れない
オクタリンクBBでも同じですが、スクエアテーパーBBのBBツールを掛ける溝は非常に浅いため、固着して回らないほど固いBBに対して大トルクをかけると非常に外れやすい舐めやすい構造。 BB右ワン、BBツール共に舐めないように力をかけるには、フィキシングボルトと同じピッチのボルトでBB右ワンとBBツールを固定する事が必須

BB 右ワン 回らない
BBツールの差し込み部分の高さはメーカーによって微妙に違い、手持ちのBBツールには40mmあれば足りるだろうと合わせてみましたが、BBツール固定用ボルトとして購入したボルトの方がやや長めだったので、ホームセンターには置いていないフィキシングボルトと同じピッチの30mmのボルトがBB右ワンとBBツールを固定するにはベスト

BBツール 回らない
(´・ω・)_/ BBツールの穴とボルトの頭の隙間が無くなるようワッシャーで調整し、BBツールの穴に差し込んでフィキシングボルトでクランクを固定するようにBBツールをスクエアBB右ワンと固定すればどんなに力を入れても舐める心配はゼロ。 両手両足が自由に使えるので体重をかけて乗ってみたり、足で抑えてフレームを引っ張ってみたりと試行錯誤してみましたが、BBツールが回らないスクエアBB右ワンが固着している状態は変わらず

ハンマーで叩く

BB 右ワン 回らない
BBとBBツールが固定されていれば体重をかけるよりも瞬間的なトルクが上のハンマーの使用が可能。 BBツールを最も力の伝わる角度である地面に対して水平に限りなく近い若干上向きの角度にセットし、何度も思いっきり叩いてみましたがBB右ワンが外れないのは変わらず

BB ハンマー
より重さのあるハンマーに変更して瞬間的な最大トルクを高めてみてもBBが外れないので、BBツールをより持ち手の長い重いタイプに買い替えて瞬間最大トルクを上げたい所ですが、余計な工費を抑えるために今度はパワーロスしていると考えられる部分の改善を試します

持ち手の長いBBツールに買い替える前に

人工芝
ショップの作業場では必ず敷かれていると言って良い分厚いゴムマット。 工具を放り投げたり、パーツを誤って落下させても傷が付かない便利アイテムですが、一般家庭の室内向けであればジョイントマット。 屋外であれば人工芝、ゴルフの練習マットが同じ役割を果たして色もキレイなため、ベランダに敷いて作業とブログ用の撮影をするのが効率が良く、最近のスタイル

スクエアBB 左ワン
ただ、高いトルクを必要とする固着して外れないBBを取り外す作業にはフカフカな厚みでパワーロスが発生するデメリットとなるため、別の場所で傷防止用の角材を置き、ハンマーで叩いてみましたがそれでも固着して回らない頑固なBB右ワン

スクエアBB 固い
これまで何台もの固いBBの取り外しに100%成功してきた普通のBBツール(ボトムブラケット取り外し工具)ですが、ショップで工費を払ってペダルを外してもらう時に使用される名作ペダルレンチ HONZAN C-200と比較すると、手持ちのBBツールは長さも短く、持ち手にラバーが被さっているので若干叩いた衝撃を吸収してしまう構造。 ラバー部分を取り外す事で若干のパワーロスが改善するため、BBツール本体を引っこ抜いてみると想定外の光景が広がります

スクエアBB 固着
持ち手のラバー部分いっぱいにBBツール本体の金属プレートが詰まっているのを想像していましたが、実際にはラバーに対して持ち手部分がかなり細め

スクエアBB 錆び
ラバーの上にBBツールの金属プレートを置いてハンマーで叩いていた位置を確認すると、2~3mm程度の厚みと予想していたラバーの外側から金属プレートまでの距離は約10mmもあり、大きくパワーロスする構造。 BBツールの持ち手とラバー部分は30㎝定規のように平べったいため、こんな構造のBBツールをハンマーで叩いていたのでは平べったいラバーが瞬間的に変形する事でパワーの大半が吸収され、BB右ワンに本来のトルクが伝わっていなかった可能性が高そうです

スクエアBB 右ワン ハンマー
想像を超えてパワーロスしていたと考えられるBBツールのラバーを取り外した金属プレートむき出しのBBツールをハンマーで叩くと、少しづつBBツールが時計方向に回転し、固着していたスクエアテーパーBB右ワンの取り外しに成功。 ラバーの無い金属プレート部分をダイレクトに普通のハンマーで叩くと変形してしまうため、必ずプラスチックハンマー(ゴムハンマー)を使用しましょう(´・ω・`)

スクエアBB 右ワン 固着
拭き取ってしまいましたがBB右ワン側のネジ山には若干グリスが残っており、錆びも少なめ。 BB右ワンが固着していた原因は経年的なものか、取り付け時のオーバートルク。 あまりにもBBが外れないので、イタリアメーカーの古いBianchi camaleonteゆえに逆ネジのITA規格の可能性を真剣に考えてしまったり、ドライヤーを使った熱膨張を利用する。 BBツールの持ち手を延長する鉄パイプの購入。 ドリルでBBを破壊する案も考えましたが、結果的にはフィキシングボルトと同じピッチのボルトを購入しただけと、ショップに持ち込んで工費を支払うよりもはるかにお安い形で終了

スクエアBB、オクタリンクBBが固着で回らない方は、1度使用している工具のラバーを取り外してみる事をおすすめしますが、それでも外れないのであれば市販のBBツールでは唯一舐め防止ボルトが付属し、持ち手が最も長いPWT ハイトルク カートリッジBBツールが最終手段になります(´・ω・`)

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