2023 CROSS BIKE LAB. » ホイール » 🔥 SHIMANO ULTEGRA WH-6800 インプレ 🔥

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アルテグラグレードのホイール、SHIMANO WH-6800。 オーバーホールを終えたので、ワイドリム化されたC17の実測リム内幅、重さを計測し、そこそこ軽量なクロスバイクのホイールと交換してインプレ



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WH-6800 分解 玉当たり調整
(´・ω・)_/ クロスバイク GIANT ESCAPE RX3に装着しているホイールは、クロスバイクに最初から付いているホイールの中では軽量なフロント792g、リア1044g(前後リムテープ含む)のGIANT ESCAPE AIRの純正ホイール、GIANT SPINFORCE SLに交換。 目を付けられて盗難に遭う確率が低い、ホイール交換している様には見えないシンプルな見た目で不満はありませんでしたが、ミドルグレードのホイールの中では見た目が割と地味で盗まれにくそうな中古のSHIMANO ULTEGRA WH-6800がお安く購入できたのでホイールを交換

WH-6800 レビュー

WH-6800 インプレ
SHIMANO ULTEGRA WH-6800は11速対応のミドルグレードのホイール。 8~10速のスプロケを使用する場合には1.85mmのロースペーサーが必要

WH-6800 インプレ
WH-6800 インプレ

(´・ω・)_/ ハブの防水キャップは防水キャップとは名ばかりのパーツ。 オーバーホール済みなのでキレイにしてありますが、購入直後は極小の砂粒が多数入り込んでおり、ベアリング部分までは到達していませんでしたが、雨天での走行はおすすめできません。 防水キャップを取り外すと中にはデジタルアジャストシステムと呼ばれる玉当たり調整が短時間で簡単に終わるギザギザの玉押し保持間座が現れます

WH-6800 インプレ
WH-6800 インプレ

WH-6800のハブ側のスポーク先端は一般的なJベンドスポーク(エルボスポーク)ではなく、Jベンドよりも高い張力に耐えられ、総合的なホイール剛性が上がるストレートプルスポーク。 フロントハブはエンド幅いっぱいになるほど左右のスポーク間隔が広めなワイドフランジハブ。 フランジはWH-6700よりも大径化して高剛性。 スポークの無い部分は肉抜きして軽量

WH-6800 インプレ
スポーク形状は丸形よりわずかに太いエアロな細めの楕円型ブレードスポーク。 ニップルがハブ側、リム側にそれぞれあるため、振れ取りする際はスポークの回転を抑えるためのスポークホルダーが必須。 SHIMANOのスポークは塗装が弱いため、中古故に剥げが多数あります

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WH-6800のニップルは一般的なサイズより1.5~2倍程度太いニップルを採用。 スポークによる高い引張力に耐えるため、ニップル取り付け部分のリムは他より1~2mm厚みがあり、強度を確保

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バルブ穴との反対側にはホイールバランスを整えるためのカウンターウェイト。 どうせなら空気抵抗を考えてニップル周辺と同じ縦長の形状に仕様変更して欲しい所。 チューブを取り付けていない状態でホイールを回転させると、必ずカウンターウェイトのある位置が真下で止まります

WH-6800 インプレ
WH-6800はチューブレスタイヤ対応のリム。 ニップル用の穴は無く、リムテープ不要で軽量

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11速対応のリアホイールは、カンパニョーロ、フルクラムではフリー側のハブのフランジを大径化し、11速化によって幅が広がったフリーの影響によるスポークテンションの左右差をできるだけ減らす構造になっていますが、シマノはナローリムのWH-6700のリム幅C15 → C17へと左右非対称のリムでワイドリム化。 スポークの取り付け位置をリムの中央から反フリー側へとオフセットする事でスポークテンションの左右差をできるだけ少なくする設計

WH-6800 インプレ
(´・ω・)_/ WH-6800のリアホイールのリム断面はこんな感じで、ステッカーが貼ってあるリム側面の角度が左右で異なる左右非対称の台形リム


WH-6800 重量 重さ

WH-6800 インプレ

WH-6800 フロントホイ―ル
実測重量:712g


WH-6800 インプレ

WH-6800 リアホイ―ル
実測重量:953g



一世代前のWH-6700まではリム幅C15のナローリムで8~10速仕様でしたが、WH-6800はワイドフランジハブとワイドリム化され、リム幅C17の8~11速対応にフルモデルチェンジ。 カウンターウェイトもあり、ミドルグレードで8~10速、C15仕様の他のホイールよりも重さがあるのは予想していましたが、意外な事にフロントホイールは8~10速仕様でC15のFULCRUM RACING3よりも軽量(´・ω・`)


(´・ω・)っ C15のWH-6700とC17のWH-6800のリム重量の違いが気になりますが、あくまで摩耗している重さなので参考程度に


WH-6800 C17 リム 内幅 外幅

WH-6800 インプレ

WH-6800 リム内幅 実測約16mm


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WH-6800 リム外幅 実測約21mm



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17mm前後と思われたリム内幅C17規格のWH-6800の実測リム幅約16mmは間違いではないか? と、C17のBONTRAGER TLRのリム内幅を計測してみるとC17の規格通り、ピッタリ17mm

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念のためC15のSHIMANO WH-R500Aのリム内幅を計測してみると約15mm。 WH-6800はC17規格のリム内幅のはずですが、実際にはリム内幅約16mmで、WH-R500など、C15のリム内幅とは1mmしか違いが無い事が判明。 シマノはC17でも23C~(カンパ系ではC17は25C~)の理由は、16mm程度しかリム内幅が無いからなのかもしれません

WH-6800 インプレ
とすると、WH-6800に最適なタイヤは23Cタイヤでも25Cタイヤでもない24Cタイヤを履かせるのが路面との抵抗が最も少なく走れる正解と思いますが、24Cタイヤは非常に種類が少ないため、問題無く使える最低タイヤ幅を23C~としていそうです(´・ω・`)


WH-6800 インプレ

WH-6800 インプレ
クロスバイク GIANT ESCAPE RX3のスプロケは8速。 交換できてもそのままでは11速のフリーボディーに固定できないので1.85mmのロースペーサーを装着。 シルバーはDT SWISSのアルミのロースペーサーで重さ2g。 黒いのがSHIMANOのスチールで重さ3g。 厚さは一緒ですが、WH-6800はSHIMANOのホイールなので今回は黒いロースペーサーを装着してスプロケを移植

WH-6800 インプレ
チューブレス対応ホイールはタイヤを嵌めにくいはずですが、固すぎて親指が1週間以上死ぬVittoria Zaffiroと比較すればあまり苦労する事なくタイヤ交換を終え、WH-6800へとホイール交換完了。 細めのブレードスポークは目立たず狙い通りですが、黒いリムからULTEGRAカラーのグレーに変わったため、間近で見るとやや違和感があります

WH-6800 インプレ
遠目から見るとホイールが目立たないのは盗難防止の観点から見ればWH-6800のメリット

WH-6800 インプレ
リム幅がC15からC17へと広がったため、ギリギリの長さになっていたブレーキワイヤーは長さが足りず、アウターケーブルを少しカットして長さを確保。 幸い先端をはんだ付け処理していたのでほつれる事は無く、交換せずそのまま利用


WH-6800 インプレ
C15からC17にリム幅が広がった影響で若干Vブレーキのアームが逆ハの字に広がり、ブレーキシューの角度もやや上向きに

WH-6800 インプレ
ブレーキワイヤーの長さが足りない場合、Vブレーキシューの固定に使われている厚みの異なる臼を入れ替える事でもブレーキインナーワイヤーを数ミリ伸ばす事ができるので、アウターケーブルのカット作業は無駄だったかもしれません。 画像はデフォルト状態の厚いスペーサーがブレーキシュー側にあるので後日薄いのに入れ替え(´・ω・`)

WH-6800 インプレ
ワイドリム(C17)のWH-6800にホイール交換するとタイヤ幅にどれくらい違いが出るか比較するため、事前に測定しておいたナローリムのGIANT SPINFORSE SLに取り付け中の23Cタイヤのタイヤ幅は約24mm

WH-6800 インプレ
WH-6800に取り付けた23Cタイヤの幅は24.8mmで想像していたより広がっておらず、約1mmタイヤ幅が広がっただけですが、走行抵抗となる路面とタイヤの設置面積も間違いなく増加しているはず。 WH-6800のリム外幅は21.2mm。 タイヤのリム外側への出っ張りは左右に僅か1.8mmづつ出っ張っている計算になるので、タイヤ幅とリム外幅を同じにすると良いとされるエアロダイナミクスは向上

WH-6800 インプレ
取り外したGIANT SPINFORCE SLのリム内幅は13.6mm

WH-6800 インプレ
GIANT SPINFORCE SLのリム外幅は20mm。 ワイドリムがトレンドになるまで使用しているホイールのリム幅なんて気にもしていませんでしたが、一般的なナローリムのC15と思っていたGIANT SPINFORCE SLはC15よりも軽量なC14。 どうりで大して不満を感じなかったはずです(´・ω・`)

以上の数値データを頭に入れつつクロスバイク GIANT ESCAPE RX3でWH-6800をインプレしてみましたが、巡航速度も加速性能も1T軽くなったような気がする程度で劇的な性能変化は感じられず。 WH-6800へとホイール交換した事で数値上は前後合計171g軽量化されていますが、あくまでホイール全体での軽量化でホイール外周部だけが軽量化された訳ではないので元々感じ取れるか取れないか微妙な軽量化

タイヤの設置面積もタイヤ幅が約1mm増えた分増加しているはずなので、スピードに関してはほとんど相殺されていそうです。 一世代上で同じULTEGRAグレードのWH-RS500ではC15に戻っているため、WH-6800は失敗作感が否めず。 巡航速度も加速性能も期待するような性能アップはありませんでしたが、ダンシングで車体を傾けた時にホイールの横剛性が著しく向上しているのを感じます。 元々フレーム剛性がアップするスキュワーを取り付けている事。 WH-6700との比較で、ワイドリム化されたC17リムで剛性アップ。 ハブの横幅が広がり、フランジも大径化したワイドフランジハブ。 その影響でスポーク角度が寝て更に横剛性がアップ

車体を横に倒した時にパンパンにホイールが突っ張っている感覚が手に伝わってくるため、これまでのナローリムのホイールは 「何も感じない=たわんでいた」と言う事になり、ダンシングでのペダリングを考えないと踏み負けそうな高い横剛性があります。 これまでのナローリムのホイールより横剛性がかなり高く、ダンシングを多用する場面でパワーロスが少ないのは分かりましたが、WH-6800の乗り心地は普通もしくは柔らかめで縦剛性は普通

ラチェット音は静かすぎてほとんど聞こえず。 信号待ちをしている自転車のすぐ後ろに気付かれずに停止するステルス走行が可能ですが、歩きスマホで前を見ていない歩行者には音による存在感が無く全く気付いてもらえないので、この辺は好き好きが分かれるところ。 しっかりハブをオーバーホールし、玉当たり調整もバッチリしてあるので失速感はありませんが、同じミドルグレードのホイールのFULCRUM RACING3の様になかなかスピードが落ちず、ブレーキシューの摩耗が早そうと心配になる感覚は無いため、カンパ系のホイールと比較するとハブの回転抵抗の低さはWH-6800が1歩劣ります。 以上のWH-6800のインプレからナローリムで実はC14だった中古で5000円くらいで買えてしまう評価の低いGIANT SPINFORCE SLが23Cタイヤであれば意外と侮れない事が判明(´・ω・`)


L字型ディスプレイスタンドとの相性

WH-6800 インプレ
クロスバイク GIANT ESCAPE RX3には出先で便利なESCAPE R QR KICK STANDを取り付けていますが、室内保管時は12㎏近い重量のあるクロスバイクでも震度5で倒れなかったブログの撮影などでも重宝するL字型ディスプレイスタンドを使用。 他の方のレビューではWH-6800に交換するとL字型ディスプレイスタンドが使えなくなると書かれてはいるものの、実際に試している画像は無いので使用できるか検証

WH-6800 インプレ
(´・ω・)_/ WH-6800にホイール交換する前のリアエンドとハブの間隔はL字型ディスプレイスタンドの黒い先端部分を差し込んでも余裕のクリアランス

WH-6800 インプレ
WH-6800にホイール交換後のリアエンドとハブ部分を上から撮影。 L字型ディスプレイスタンド先端の間隔が防水キャップの外径よりも2~3mm狭いため、圧(負荷)がかかって挟まっている状態。 一時的に使用する分には大丈夫そうですが、長期使用では防水キャップが変形するか破損してしまう可能性。 仮にL字型ディスプレイスタンド先端のラバーの厚みを減らすために薄いチューブで代用したとしても安全なクリアランスは確保できず、経年負荷で防水キャップが割れる危険があり、WH-6800に交換した23Cタイヤのロードバイク、クロスバイクをL字型ディスプレイスタンドで常時立てておくのは事実上不可能

WH-6800 インプレ
(´・ω・)_/ 撮影と室内保管で重宝していましたが、今後は差し込まずにスキュワー部分でL字型ディスプレイスタンドに立て掛けるしか使い道が無くなってしまうのがWH-6800のデメリット

WH-6800 インプレ
WH-6800 インプレ

L字型ディスプレイスタンドは普通のハブであればフロントホイール側でも使える事は使えますが、ホイール全体の剛性アップのためにワイドフランジハブで横幅が広くなっているWH-6800。 おかげでフロントフォークエンドとの隙間が非常に狭くなり、フロントは差し込む事すら不可能になりました(´・ω・`)


WH-6800 インプレ
ハブ軸部分を上から乗せるだけで震度5の地震でも倒れなかったL字型ディスプレイスタンドが非常にお気に入りでしたが、WH-6800にホイール交換後はスタンドの変更が必須。 チェ-ンステーとシートステーに引っ掛けるタイプでメンテナンススタンドとしても使えるMINOURA DS-532-600Lは問題なく使用可能

WH-6800 インプレ
縦置きスタンドのMINOURA DS-2100は、時々乗るロードバイクには省スペースで良いですが、日常使いの重いクロスバイクには立てたり引っ掛けたりがL字型ディスプレイスタンドよりも若干面倒

WH-6800 インプレ
横置きする場合はリアタイヤを置くだけと簡単ですが、横置きスタンドとしては設置サイズが大きいのがMINOURA DS-2100のデメリット。 縦置きでは設置点が4点で震度5の地震でも問題ありませんでしたが、横置きでは設置点がリアタイヤのみの3点に減るのでやや心配

WH-6800 インプレ
3種類のスタンドを設置スペースで比較すると、L字型ディスプレイスタンドが最小サイズで低重心。 気に入っていただけに使えなくなるのは痛いので、SHIMANO ULTEGRA WH-6700以降のWH-6800、WH-RS500の購入を検討する際は頭に入れておきましょう(´・ω・`)


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