KAWAI ミニピアノ P-32 分解 修理 改造
強く弾かないと音が出ない欠点のあるKAWAI ミニピアノ。 鍵盤のアクション機構を改良した新型ではある程度改善されているので、旧型でも音を出やすくする改造、改善方法と、内部構造の視点から他のメーカーのトイピアノ含め、KAWAI ミニピアノの選び方を紹介
△
文字サイズ調整
▽
内部構造を理解して調整、調律すれば「 強めに弾かないと音が出ない 」欠点を改善できる可能性があるので、まずは側板(側面)に5ヵ所あるネジを回し、KAWAI ミニピアノ P-32 1115を分解して原因を探ります
5本のネジを外すと屋根(蓋)の取り外しが完了
(´・ω・)_/ 側面からネジで屋根(蓋)を固定していた正常な木片はこんな感じ
もともと接着不良だったのか? 過去の何らかの衝撃で外れてしまったのか? この2つの木片は屋根(蓋)から剥がれているので修理が必要
屋根(蓋)を取り外すと中には弦代わりのアルミパイプが設置されています
続いてKAWAIの黒いステッカーが貼ってある前框(まえかまち)を上に引き抜きます
弦代わりのアルミパイプは両端の3本のネジで固定されているので緩めて取り外します
アルミパイプを取り外すとハンマーが現れるので両端のネジを緩めて分解
ハンマーを取り外し終えたら乗っているだけの鍵盤の取り外し。 黒鍵は全て同じですが、白鍵はドレミファソラシと右端の特殊なドの8種類でそれぞれ微妙に形状に違いがあるため、組み立ての際に間違いが起こりやすいポイント
少し面倒ですが、並んでいる順番通りに1本1本白鍵だけ並べながら取り外していくのがおすすめ
鍵盤を乗せる白い土台が現れるので、6本のネジを緩めてKAWAI ミニピアノ P-32 1115 本体から取り外します。 内部構成パーツを全て取り外して観察した結果、強めに弾かないと音が出ない問題はおそらくハンマーとアルミパイプの距離が遠い事が原因
(´・ω・)っ イメージ的にはコレ(名称不明)
白い土台が固定されていた位置にワッシャーを敷き、土台の高さを上げる事でハンマーとアルミパイプの距離を近づけます
ハンマーとアルミパイプの最適な距離を探るため部分的に仮り組みし、弱い力で弾いても音が出やすく改善しているかチェックすると、これまで音が出なかった弱い力で弾いても音が出るように改善。 5mmまで高さを上げるとハンマーとアルミパイプが密着して音が響かなくなってしまったので、何通りか調整した結果3.5mm前後ハンマーとアルミパイプの距離を近づけるのが最適な改造方法の模様
(´・ω・)_/ 最適なハンマーとアルミパイプの距離を調べるため、土台の下に高さ調整用のワッシャーを入れてみましたが、白い土台は短いネジで本体に固定されているパーツ。 高さ調整用の異物を入れた分ネジが浅く緩みやすくなるので、アルミパイプを本体に固定していた側面の木片を取り外して3.5mm前後ノコギリで切るかヤスリで削る改造が良さそうでしたが簡単には外れず、この方法では手間とある程度の水平の精度も必要なので断念
もう1つの改造方法はアルミパイプを固定している側の木材の厚みを削って薄くし、ハンマーに近づける方法。 見るからに安い合板が使われているので厚みを調整するのが簡単そうです
(´・ω・)_/ アルミパイプを裏返し、合板の裏側を3.5mm削ります。 安い合板なのが幸いして彫刻刀の平刀で繊細に削る必要はなく、バリバリと安い割りばしよりもモロい1層分を破壊していくだけ。 画像は分かりやすいように半分だけ表面の白い1層分を剥がした状態
表面の白い1層を完全に剥がし、茶色い層が露出。 仕上げにヤスリをかけて厚み(高さ)の調整は終了。 薄くした分合板の強度が落ちる心配がありましたが、削る前と比較してほとんど変わらず一安心。 後は分解した時とは逆の手順で各パーツを固定し、KAWAI ミニピアノ P-32 1115の強く弾かないと音が出ない欠陥は改善
(´・ω・)_/ その他の改造方法としては手間がかかりますが、ドリルで木製ハンマーの中心に穴を開けて軽量化する事で、より弱い力でも音が出るように若干タッチを軽くする事も出来そうです
本来であれば2mmほど飛び出しているホッチキスの様な芯を屋根(蓋)側の穴に差し込んで木工用ボンド等の接着剤で固定するだけの簡単な修理作業のはずですが、実際に差し込んでみると木片は屋根(蓋)に密着せず
(´・ω・)_/ 画像の通り、少し浮いてしまっています。 屋根(蓋)から木片が外れていた原因は、子供が落として壊したか接着不良と予想していましたが、この状態を見る限りでは、ホッチキスの様な芯を深く打ち込まずに接着していた製造段階でのミス
トンカチで上から叩いて芯を深く差し込み、接着剤を塗った後は傷防止用の当て木をして乾くまで数日クランプで固定
もう1つの木片はクランプが届かないので、同様の手順で最後は重りを乗せてKAWAI ミニピアノ P-32 1115の修理が完了
屋根(蓋)を開いた状態で弾くと2割ほど音が大きくなりますが、屋根(蓋)の重さは約800g。 遊んでいる最中に屋根(蓋)が閉まって怪我をしたり、予測不能な子供の行動によって中身に触って壊されたり、落下による衝撃に弱くなったりと、メーカー側でも落下時の安全基準を満たしていないとある通り、音量の調整や見た目が良くなるメリットよりもデメリットの方が多く、おもちゃのピアノくらい屋根(蓋)が開閉するグランドピアノをと思っていましたが、改造するのは断念
の違いがあり、今回のように貰った旧型を改造しないのであれば音が出やすい新型で32鍵タイプのグランドピアノ 1141やグランドピアノ 1144がおすすめですが価格はかなり高め
KAWAI ミニピアノは分解してみるとプラスチック、安い合板、アルミパイプが主な材料で、本物のピアノを作っているからトイピアノも良いものに違いないと先入観から勝手なイメージを持ってしまいがちです
本物のピアノを作っているカワイだからとブランドイメージで選ぶ事はせず、他のメーカーのミニピアノ、トイピアノにも目を向けるとアップライトのClera(クレラ)のコスパが高め。 鍵盤の数は25鍵と少ないですが、値段も安く、弱い力で弾いても音が出やすいと、旧型KAWAI ミニピアノ 25鍵タイプの上位グレードとも言える存在で、音も3倍くらい大きめ
(´・ω・)_/ Clera(クレラ)を分解して中を見えるようにした状態。 グランドピアノ型では下からハンマーで叩くのと、構造上の問題から弱い力では音が出ないと分かりましたが、Clera(クレラ)の様にアップライトピアノでは横から奥の鉄筋を叩く分、強く弾く必要がない構造。 旧型のKAWAI ミニピアノも同様の構造であればグランドピアノよりもアップライトの方がおすすめかもしれません
Clera(クレラ)はおもちゃのピアノですが、本物と同じ22.5mmを採用。 そのため子供ではなく、難しいフレーズを大人がほんのちょっとだけ気軽に練習したい時などにも使えます
KAWAI ミニピアノの対象年齢は3歳からと言う事もあり、白鍵の横幅は18mmと本物のピアノよりも幅が少し狭いのが特徴。 同様に鍵盤の幅が少し狭いピアノを探すと、同価格帯なのに鍵盤数が61鍵と圧倒的に多いKORG マイクロピアノが魅力的。 電子ピアノなのでヘッドホンが使え、鍵盤数の多さで楽譜に困らないのが吉(´・ω・`)
この記事をチェックした人はこんな記事もチェックしています
文字サイズ調整
▽
目次 ▷ CLOSE
KAWAI ミニピアノ 分解
子供による数々の修羅場に耐え、我が家にやってきたKAWAI ミニピアノ P-32 レッド 1115。 塗装の剥がれや傷があるものの、音が出ない。 鍵盤が戻らない等の故障の無い完動品ですが、ブログ、レビュー、口コミでの評判はイマイチで、強めに弾かないと音が出ない仕様のトイピアノ。 実際、大人が弾いてストレスにすら感じるので、子供が叩いて遊ぶか、見向きもしなくなるのは時間の問題内部構造を理解して調整、調律すれば「 強めに弾かないと音が出ない 」欠点を改善できる可能性があるので、まずは側板(側面)に5ヵ所あるネジを回し、KAWAI ミニピアノ P-32 1115を分解して原因を探ります
5本のネジを外すと屋根(蓋)の取り外しが完了
(´・ω・)_/ 側面からネジで屋根(蓋)を固定していた正常な木片はこんな感じ
もともと接着不良だったのか? 過去の何らかの衝撃で外れてしまったのか? この2つの木片は屋根(蓋)から剥がれているので修理が必要
屋根(蓋)を取り外すと中には弦代わりのアルミパイプが設置されています
続いてKAWAIの黒いステッカーが貼ってある前框(まえかまち)を上に引き抜きます
弦代わりのアルミパイプは両端の3本のネジで固定されているので緩めて取り外します
アルミパイプを取り外すとハンマーが現れるので両端のネジを緩めて分解
ハンマーを取り外し終えたら乗っているだけの鍵盤の取り外し。 黒鍵は全て同じですが、白鍵はドレミファソラシと右端の特殊なドの8種類でそれぞれ微妙に形状に違いがあるため、組み立ての際に間違いが起こりやすいポイント
少し面倒ですが、並んでいる順番通りに1本1本白鍵だけ並べながら取り外していくのがおすすめ
鍵盤を乗せる白い土台が現れるので、6本のネジを緩めてKAWAI ミニピアノ P-32 1115 本体から取り外します。 内部構成パーツを全て取り外して観察した結果、強めに弾かないと音が出ない問題はおそらくハンマーとアルミパイプの距離が遠い事が原因
(´・ω・)っ イメージ的にはコレ(名称不明)
KAWAI ミニピアノ 改造
仮説を検証するため、ハンマーとアルミパイプの距離を近づけるための適当なワッシャーを用意白い土台が固定されていた位置にワッシャーを敷き、土台の高さを上げる事でハンマーとアルミパイプの距離を近づけます
ハンマーとアルミパイプの最適な距離を探るため部分的に仮り組みし、弱い力で弾いても音が出やすく改善しているかチェックすると、これまで音が出なかった弱い力で弾いても音が出るように改善。 5mmまで高さを上げるとハンマーとアルミパイプが密着して音が響かなくなってしまったので、何通りか調整した結果3.5mm前後ハンマーとアルミパイプの距離を近づけるのが最適な改造方法の模様
(´・ω・)_/ 最適なハンマーとアルミパイプの距離を調べるため、土台の下に高さ調整用のワッシャーを入れてみましたが、白い土台は短いネジで本体に固定されているパーツ。 高さ調整用の異物を入れた分ネジが浅く緩みやすくなるので、アルミパイプを本体に固定していた側面の木片を取り外して3.5mm前後ノコギリで切るかヤスリで削る改造が良さそうでしたが簡単には外れず、この方法では手間とある程度の水平の精度も必要なので断念
もう1つの改造方法はアルミパイプを固定している側の木材の厚みを削って薄くし、ハンマーに近づける方法。 見るからに安い合板が使われているので厚みを調整するのが簡単そうです
(´・ω・)_/ アルミパイプを裏返し、合板の裏側を3.5mm削ります。 安い合板なのが幸いして彫刻刀の平刀で繊細に削る必要はなく、バリバリと安い割りばしよりもモロい1層分を破壊していくだけ。 画像は分かりやすいように半分だけ表面の白い1層分を剥がした状態
表面の白い1層を完全に剥がし、茶色い層が露出。 仕上げにヤスリをかけて厚み(高さ)の調整は終了。 薄くした分合板の強度が落ちる心配がありましたが、削る前と比較してほとんど変わらず一安心。 後は分解した時とは逆の手順で各パーツを固定し、KAWAI ミニピアノ P-32 1115の強く弾かないと音が出ない欠陥は改善
(´・ω・)_/ その他の改造方法としては手間がかかりますが、ドリルで木製ハンマーの中心に穴を開けて軽量化する事で、より弱い力でも音が出るように若干タッチを軽くする事も出来そうです
KAWAI ミニピアノ P-32 修理
最後に屋根(蓋)を側面からネジで固定していたはずの2つの木片の接着修理本来であれば2mmほど飛び出しているホッチキスの様な芯を屋根(蓋)側の穴に差し込んで木工用ボンド等の接着剤で固定するだけの簡単な修理作業のはずですが、実際に差し込んでみると木片は屋根(蓋)に密着せず
(´・ω・)_/ 画像の通り、少し浮いてしまっています。 屋根(蓋)から木片が外れていた原因は、子供が落として壊したか接着不良と予想していましたが、この状態を見る限りでは、ホッチキスの様な芯を深く打ち込まずに接着していた製造段階でのミス
トンカチで上から叩いて芯を深く差し込み、接着剤を塗った後は傷防止用の当て木をして乾くまで数日クランプで固定
もう1つの木片はクランプが届かないので、同様の手順で最後は重りを乗せてKAWAI ミニピアノ P-32 1115の修理が完了
KAWAI ミニピアノ 屋根が開閉するメリット デメリット
屋根(蓋)の基本構造は、開閉できる上位機種のグランドピアノ 1114やグランドピアノ 1112と同じはずのKAWAI ミニピアノ P-32 1115。 適当な棒で屋根(蓋)を支えるようにし、蝶番(ちょうつがい)で固定して屋根(蓋)を開閉できるように改造してみようと、とりあえず支えるための適当な棒を入れて完成状態をイメージ屋根(蓋)を開いた状態で弾くと2割ほど音が大きくなりますが、屋根(蓋)の重さは約800g。 遊んでいる最中に屋根(蓋)が閉まって怪我をしたり、予測不能な子供の行動によって中身に触って壊されたり、落下による衝撃に弱くなったりと、メーカー側でも落下時の安全基準を満たしていないとある通り、音量の調整や見た目が良くなるメリットよりもデメリットの方が多く、おもちゃのピアノくらい屋根(蓋)が開閉するグランドピアノをと思っていましたが、改造するのは断念
KAWAI ミニピアノ どれがいい?
いろいろ種類があってどれがいいのか迷うKAWAI ミニピアノ。 違い別に大きく分けると- 音が出やすい新型とそうではない旧型
- グランドピアノとアップライトピアノ
- 鍵盤数の違い(32鍵と25鍵)
の違いがあり、今回のように貰った旧型を改造しないのであれば音が出やすい新型で32鍵タイプのグランドピアノ 1141やグランドピアノ 1144がおすすめですが価格はかなり高め
KAWAI ミニピアノは分解してみるとプラスチック、安い合板、アルミパイプが主な材料で、本物のピアノを作っているからトイピアノも良いものに違いないと先入観から勝手なイメージを持ってしまいがちです
本物のピアノを作っているカワイだからとブランドイメージで選ぶ事はせず、他のメーカーのミニピアノ、トイピアノにも目を向けるとアップライトのClera(クレラ)のコスパが高め。 鍵盤の数は25鍵と少ないですが、値段も安く、弱い力で弾いても音が出やすいと、旧型KAWAI ミニピアノ 25鍵タイプの上位グレードとも言える存在で、音も3倍くらい大きめ
(´・ω・)_/ Clera(クレラ)を分解して中を見えるようにした状態。 グランドピアノ型では下からハンマーで叩くのと、構造上の問題から弱い力では音が出ないと分かりましたが、Clera(クレラ)の様にアップライトピアノでは横から奥の鉄筋を叩く分、強く弾く必要がない構造。 旧型のKAWAI ミニピアノも同様の構造であればグランドピアノよりもアップライトの方がおすすめかもしれません
KAWAI ミニピアノ 鍵盤の幅
鍵盤の幅で子供用トイピアノの選び方を考えると、本物のピアノは白鍵の横幅が22.5mmClera(クレラ)はおもちゃのピアノですが、本物と同じ22.5mmを採用。 そのため子供ではなく、難しいフレーズを大人がほんのちょっとだけ気軽に練習したい時などにも使えます
KAWAI ミニピアノの対象年齢は3歳からと言う事もあり、白鍵の横幅は18mmと本物のピアノよりも幅が少し狭いのが特徴。 同様に鍵盤の幅が少し狭いピアノを探すと、同価格帯なのに鍵盤数が61鍵と圧倒的に多いKORG マイクロピアノが魅力的。 電子ピアノなのでヘッドホンが使え、鍵盤数の多さで楽譜に困らないのが吉(´・ω・`)
この記事をチェックした人はこんな記事もチェックしています
コメント
No title
ひゃ~(;^ω^) まずは、突然トイピアノの記事が出てくるとは思っていなかったので、意外性のビックリ①
加工するのは自転車だけかと思っていたら、ピアノの改造もできるとは!のビックリ②
トイピアノの中が、ピアノ線ではなくパイプだった事への驚き③
何気に、登場していたネコが可愛い(笑)
2021-03-06 18:14 torikera URL
Re: No title
2021-03-07 15:21 FUCHS URL
KAWAIミニピアノ修理方法
2022-06-29 19:33 堀野直治 URL
Re: KAWAIミニピアノ修理方法
2022-06-30 21:25 FUCHS URL
ありがとうございました
強めのタッチでないと音が出ないものと思い込んで諦めていたのですがこちらのページを参考に改造いたしました。
おかげさまで少し弱めのタッチでも音が出るようになり大変感謝しております。
今は休んでおりますが、自転車(マウンテン・ロード)乗りだったので、他のページもゆっくり拝見させていただきます。
とても役立つ情報をありがとうございました。
追伸:現場猫が大事な箇所を教えてくれるのはとても素敵です。猫好きとしては嬉しくなります。
2022-12-12 17:52 kobeКошка URL
Re: ありがとうございました
2022-12-14 20:19 FUCHS URL